中学公民|裁判所と三権分立

争いを解決し、
権利と憲法を守る。

裁判所は司法を担い、法律にもとづいて争いを解決します。裁判のしくみから、国会・内閣・裁判所が権力を分け合う三権分立まで学びます。

1|裁判所と司法

法律にもとづいて争いを解決する

人と人の争いや、犯罪が起きたときに、法律にもとづいて公平に判断するのが裁判所です。この働きを司法といい、日本では裁判所が司法権を担います。

理解チェック

司法しほうの働はたらき

三権分立さんけんぶんりつでは裁判所さいばんしょが司法しほうを担当たんとうします。争あらそいを解決かいけつするだけでなく、法律ほうりつなどが憲法けんぽうに違反いはんしていないかも判断はんだんします。
裁判所さいばんしょの役割やくわりとして正ただしいものはどれですか。

2|裁判所の種類

最高裁判所と下級裁判所がある

日本の裁判所には、最高裁判所と、法律によって設けられる下級裁判所があります。下級裁判所には、高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所があります。

最高裁判所+高等裁判所地方裁判所家庭裁判所簡易裁判所
最高裁判所は「憲法の番人」
最高裁判所は、法律・命令・規則・処分が憲法に適合するかを判断する終審裁判所です。

3|民事裁判と刑事裁判

何をめぐる裁判なのかで違う

民事裁判

お金の貸し借り、契約、損害賠償など、私人どうしの権利や義務をめぐる争いを解決します。

刑事裁判

犯罪を行ったと疑われる人について、有罪か無罪か、有罪ならどのような刑にするかを判断します。

4|三審制

原則として3回まで裁判を受けられる

裁判の誤りをできるだけ防ぎ、人々の権利を守るため、同じ事件について原則として3回まで裁判を受けられる三審制がとられています。

第一審→ 控訴 →第二審→ 上告 →第三審
事件の種類や最初に裁判を行う裁判所によって、実際の裁判所の組み合わせは異なります。「地方裁判所→高等裁判所→最高裁判所」だけがすべての事件の流れではありません。

5|裁判員制度

国民が刑事裁判に参加する

裁判員制度では、国民から選ばれた裁判員が裁判官とともに、地方裁判所で行われる一定の重大な刑事事件の裁判に参加します。有罪・無罪だけでなく、有罪の場合の刑の内容についても話し合います。

裁判官+裁判員→重大な刑事事件を審理

6|司法権の独立

裁判は政治から独立して行われる

公平な裁判を行うため、裁判所は国会や内閣などから独立して司法権を行使します。また、裁判官は良心に従い独立して職権を行い、憲法と法律にのみ拘束されると憲法で定められています。

7|違憲立法審査権

法律や命令が憲法に反していないかを判断する

裁判所には、法律や命令などが憲法に適合しているかを判断する違憲立法審査権(違憲審査権)があります。国会がつくった法律であっても、憲法に反することはできません。

日本国憲法基準にして確認法律・命令など←裁判所
理解チェック

違憲立法審査権いけんりっぽうしんさけんの役割やくわり

裁判所さいばんしょは、法律ほうりつや命令めいれいが憲法けんぽうに違反いはんしていないかを判断はんだんできます。
違憲立法審査権いけんりっぽうしんさけんの目的もくてきはどれですか。

8|三権分立

3つの権力を分け、互いに抑制する

国の権力が1つの機関に集中すると、権力が乱用される危険があります。そこで日本では、立法・行政・司法を別々の機関が担い、互いに抑制し合う三権分立のしくみをとっています。

三権分立のしくみ上に国会、左下に内閣、右下に裁判所を配置し、それぞれの間を双方向の矢印で結んだ図。 国会立法|法律をつくる 内閣行政|法律を実行する 裁判所司法|裁判を行う 国会→内閣 首相の指名・不信任 内閣→国会 衆議院の解散 国会→裁判所 裁判官の弾劾 裁判所→国会 違憲審査 内閣→裁判所 最高裁長官の指名・裁判官の任命 裁判所→内閣 命令・処分などの違憲・違法審査 互いに抑制し合う権力の集中を防ぎ、均衡を保つ

たとえば、裁判所の違憲審査は立法や行政を憲法に照らして確認する働きです。国会と内閣の間にも、内閣不信任決議や衆議院の解散など、互いの権力を抑制するしくみがあります。

理解チェック

三権さんけんの均衡きんこう

国会こっかい、内閣ないかく、裁判所さいばんしょはそれぞれ違ちがう役割やくわりを担当たんとうし、互たがいの働はたらきを確たしかめるしくみがあります。
三権さんけんが互たがいを確たしかめるしくみの目的もくてきはどれですか。

まとめ

裁判所は「争いを裁く」だけではない

裁判所は司法を担い、民事・刑事の裁判を通じて人々の権利を守ります。さらに、違憲立法審査権によって憲法を基準に法律などを判断し、国会・内閣とともに三権分立の一角を担っています。