中学公民|市場経済
なぜ、同じ商品でも
価格が変わるのか。
人気が高まると値段が上がり、豊作になると野菜が安くなることがあります。市場で価格が決まる基本を、需要と供給から考えます。
- 需要と供給
- 均衡価格
- 競争と独占
- 市場の利点と課題
1|市場経済とは
買いたい人と売りたい人の動きが、価格につながる
市場経済では、消費者がどれだけ買いたいかという需要と、生産者・販売者がどれだけ売りたいかという供給が互いに関係しながら、商品の価格や取引量が調整されていきます。
買いたい量
売りたい量
野菜が少ない日の価格
2|需要が変わると
買いたい人が増えると、価格は上がる方向へ
商品の供給量がすぐには変わらないとき、人気の上昇などで需要が増えると、限られた商品をより多くの人が求めるため、価格には上がる方向の力が働きます。反対に需要が減ると、価格は下がる方向に動きやすくなります。
人気商品と価格の変化
3|供給が変わると
商品が多く出回ると、価格は下がる方向へ
需要が大きく変わらないとき、豊作や生産設備の増加などで供給が増えると商品が余りやすくなり、価格には下がる方向の力が働きます。反対に天候不順などで供給が減ると、価格は上がりやすくなります。
豊作で野菜が安くなる理由
4|需要曲線と供給曲線
2本の曲線が交わるところが「均衡」
価格と数量の関係をグラフにすると、一般に需要曲線は右下がり、供給曲線は右上がりになります。2本が交わる点では需要量と供給量が一致し、そのときの価格を均衡価格といいます。
2本の曲線が交わるところ
5|価格の働き
価格は、市場の変化を伝えるサインになる
価格が上がれば、消費者が購入量を減らしたり、生産者が供給を増やそうとしたりします。価格が下がれば、その逆の動きが起こることがあります。このように価格には、需要と供給を調整する働きがあります。
価格が伝える情報
6|競争
企業どうしの競争が、価格や品質の工夫につながる
複数の企業が同じ市場で競争すると、消費者に選ばれるために、価格を工夫したり、品質やサービスを高めたり、新しい商品を開発したりする動きが生まれます。
競争で価格を工夫する
7|独占と公正な競争
競争が弱くなりすぎると、市場の働きが十分に生かされない
少数の企業だけが市場を支配するなどして競争が十分に働かなくなると、価格が高くなったり、品質やサービスを改善する動機が弱まったりする場合があります。日本では独占禁止法に基づき、公正取引委員会が公正で自由な競争を促す役割を担っています。
競争を守る独占禁止法
8|市場経済の利点と課題
市場に任せれば、すべて解決するわけではない
利点
競争によって価格や品質が工夫され、消費者の選択肢が増えたり、新しい商品やサービスが生まれたりします。
課題
採算がとりにくい地域・分野では必要なサービスが十分に供給されないことや、安全・環境などの問題を市場だけでは解決しにくいことがあります。
市場経済の利点と課題
まとめ
価格を見ると、需要と供給の変化が見えてくる
市場経済では、需要と供給が価格を通して互いに影響し合います。需要曲線と供給曲線の交点は均衡価格を示し、価格は売買や生産を調整する情報にもなります。一方で、公正な競争を守るルールや、市場だけでは解決しにくい課題への対応も必要です。