社会|日本の産業
漁業が盛んな地域
三陸沖を例に、魚が集まる海のしくみから、漁業の種類、養殖、資源を守る工夫、水産試験場の研究まで学びましょう。
- 親潮・黒潮と潮目
- 漁業の種類
- 養殖と栽培漁業
- 水産資源と研究
1|地域と位置
漁業が盛んな地域はどこ?
日本は四方を海に囲まれ、各地で漁業が行われています。なかでも三陸沖は、岩手県や宮城県などの太平洋側に広がる、よく知られた漁場の一つです。北海道の周辺なども重要な漁場です。
三陸沖は、東北地方の太平洋側に広がる海域です。地図で岩手県・宮城県の位置を確認しましょう。
三陸沿岸には入り組んだ海岸もあり、湾の地形を生かした養殖業が行われている場所があります。
理解チェック
波が静かな入江では、魚や貝を育てる養殖業が行われています。穏やかな海は、いけすを設置しやすいからです。自然条件に合わせて水産業が営まれています。
入江で養殖業が行われやすい理由はどれですか。
養殖業は自然条件を生かして行われます。波が穏やかな入江は養殖に適しています。
2|海流と漁場
三陸沖に魚が集まるのはなぜ?
日本の太平洋側には、南から流れる暖流の黒潮と、北から流れる寒流の親潮があります。異なる性質の水が接する付近を潮目と呼びます。海流の流れ方や潮目の位置は季節によって変化します。
親潮は栄養塩に富む水を運び、海水の混合や季節ごとの変化なども重なって、植物プランクトンが育ちやすい環境ができます。プランクトンを食べる小魚、さらに小魚を食べる魚へとつながる食物連鎖が豊かな漁場を支えます。
潮目があれば必ず魚が大量に集まるわけではありません。水温や季節などの条件によって漁場は変化します。
理解チェック
暖流と寒流が出会う場所を潮目といいます。潮目には魚のえさになる生物が集まりやすく、多くの魚も集まります。水産業にとって大切な場所です。
潮目に魚が多く集まる理由はどれですか。
暖流と寒流がぶつかる潮目では、えさが集まり、それを求めて魚も集まります。
3|漁業の種類
どこで、どのように魚をとる?
漁業は、漁をする場所や航海のしかたなどによって分けられます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 沿岸漁業 | 海岸に近い海で行う。比較的小さな船を使うことも多い。 |
| 沖合漁業 | 日本近海の沖合で行う。比較的大きな漁船や漁具を使う。 |
| 遠洋漁業 | 遠く離れた海まで出て行う。航海が長期間になることもある。 |
理解チェック
日本では、海岸に近い海で魚をとる沿岸漁業、沖まで出かける沖合漁業、さらに遠い海へ向かう遠洋漁業があります。魚をとる場所によって漁業の方法が変わります。目的に合わせて使い分けられています。
魚をとる場所が遠くなると、漁業の方法はどのように変わりますか。
海岸に近い海では沿岸漁業、沖では沖合漁業、さらに遠い海では遠洋漁業が行われます。場所までの距離と漁業の方法を結び付けると判断できます。
4|育てる漁業
養殖業と栽培漁業はどう違う?
養殖業は、魚や貝、海藻などを人が管理して育て、収獲する仕事です。三陸沿岸では、わかめやかきなどの養殖も行われています。
栽培漁業では、稚魚などを育てて海へ放流し、その後の資源管理にも取り組みます。養殖のように、出荷まで囲って育て続けることとは異なります。
理解チェック
養殖業では、海にいけすを設置して魚を育てる方法があります。のりは海に張った網を利用して育てます。育てるものによって方法が異なります。
育てるものによって養殖の方法が変わるのはなぜですか。
魚はいけす、のりは網など、育てるものの特徴に合わせて養殖の方法が選ばれます。
5|技術と工夫
漁業を支える道具と資源管理
漁業者は漁船、魚群探知機、海水温や天気の情報などを活用して、安全や効率を考えながら漁を行います。ただし、魚をたくさんとるだけでは、将来の資源が減ってしまうおそれがあります。
| 工夫 | 目的 |
|---|---|
| 漁獲量の管理 | とりすぎを防ぐ |
| 漁期・禁漁期間の設定 | 繁殖期などの魚を守る |
| 小さな魚を守る | 魚が成長し、次の世代を残せるようにする |
| 調査結果の活用 | 魚の数や分布の変化に合わせて管理する |
理解チェック
魚をとりすぎると、数が減ってしまうことがあります。そのため、水産業では、とる量を調整するなどの工夫がされています。資源を守りながら水産業を続けるためです。
魚をとる量を調整する理由はどれですか。
魚をとりすぎないようにすることで、将来も水産資源を利用でき、水産業を続けやすくなります。
6|水産物の流通
とれた魚はどうやって食卓へ届く?
魚は水揚げされたあと、種類や大きさなどで分けられ、市場や加工場を経て店や家庭に届きます。鮮度を保つため、氷や冷蔵設備、冷凍設備を使うことも大切です。
魚は生鮮品として売られるほか、干物や缶詰などに加工される場合もあります。
7|研究と課題
水産試験場は何を研究している?
水産試験場などの研究機関は、魚の資源量や分布、海水温、養殖技術などを調べています。漁業者はこうした情報を参考にして漁を行い、資源を守る取り組みにも役立てます。
海水温の変化や水産資源の減少などに対応するためにも、漁業者・研究者・行政などの協力が重要です。
理解チェック
水産試験場では、魚や貝をよりよく育てる方法を調べています。また、海の資源を守るための研究も行われています。水産業を支える大切な施設です。
水産試験場では、どのような研究が行われていますか。
水産試験場では育て方だけでなく、海の資源を守る方法も研究しています。これらが水産業を支えています。
まとめ
海の自然環境と人々の工夫が漁業を支える
| 学習したこと | 重要なポイント |
|---|---|
| 三陸沖の漁場 | 親潮・黒潮などの海流と、海の栄養・食物連鎖が関係する |
| 漁業の種類 | 沿岸・沖合・遠洋漁業 |
| 育てる漁業 | 養殖業と栽培漁業では育て方が異なる |
| 流通 | 水揚げから市場・加工・輸送を経て食卓へ届く |
| 資源を守る工夫 | 漁獲量・漁期などを管理する |
| 水産試験場 | 魚や海の調査・研究で漁業を支える |
漁業は、海流や海岸の地形などの自然環境を生かしながら、漁業者の技術と研究、資源を守る工夫によって支えられています。