社会|日本の産業

工業が盛んな地域

中京工業地帯の自動車づくりを例に、工場の仕事、関連工場の協力、製品の輸送、研究開発まで学びましょう。

1|日本の工業

工業が盛んな地域はどこ?

日本では、太平洋側を中心に工場が集まる地域が広がっています。こうした地域には、工業地帯や工業地域と呼ばれるところがあります。

地図の番号を押して、工業地帯・工業地域の位置を確かめよう

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番号を選んでください赤色は工業地帯、青色は工業地域です。

本州・九州を中心に拡大した模式図です。丸印はおおよその中心位置を示し、工業地帯・工業地域の境界や広がりを正確に表すものではありません。

主な工業地帯・工業地域代表的な特色
京浜工業地帯機械・化学など
中京工業地帯自動車などの輸送用機械
阪神工業地帯機械・金属・化学など
北九州工業地帯鉄鋼業を中心に発達
瀬戸内工業地域石油化学・造船など
北関東工業地域輸送用機械など

これらを結ぶ太平洋側の工業の集まりは、太平洋ベルトと呼ばれます。工業地帯と工業地域の区分は教材や統計によって異なることがあります。

2|中京工業地帯

なぜ愛知県で自動車工業が盛んなの?

愛知県を中心とする中京工業地帯では、自動車をはじめとする工業製品が多くつくられています。豊田市周辺には完成車をつくる工場だけでなく、多くの部品工場も集まっています。

愛知県を含む中部地方の地図

愛知県の位置を確認しましょう。豊田市は愛知県内陸部にあり、名古屋港などの港湾や道路網が部品・完成車の輸送を支えます。

工場が集まる関連する工場が近いと部品を運びやすい
道路・港部品の搬入や完成車の輸送に役立つ
人と技術働く人の経験や技術が生産を支える

理解チェック

中京工業地帯では、自動車をつくる工業がさかんです。多くの工場が部品をつくり、それらを組み立てて自動車が完成します。こうした工業が生産額日本一につながっています。

中京工業地帯の特徴として最も適しているものはどれですか。

3|製造工程

自動車はどのようにつくられる?

自動車づくりは、たくさんの工程を順番に進める仕事です。代表的な工程を見てみましょう。

① プレス金属板を押してドアや車体の部品の形にする
② 溶接金属の部品をつなぎ、車体の骨組みをつくる
③ 塗装さびを防ぎ、色をつけて車体を保護する
④ 組立エンジンやモーター、座席、タイヤなどを取り付ける
⑤ 検査ブレーキ・ライトなどの働きや仕上がりを確かめる

工程の順序や細かな作業は工場や車種によって異なります。検査で基準を満たした車が出荷されます。

プレス → 溶接 → 塗装 → 組立 → 検査

理解チェック

金属の部品を組み立てます。タイヤやドアをつけたあと、安全に走れるか検査します。合格した車だけが出荷されます。

検査はどの工程で行われますか。

4|工場の工夫

安全で品質のよい自動車をつくるために

工場では、ロボットと人が役割を分担しながら作業しています。ロボットは同じ動きを正確に繰り返す作業に役立ち、人は機械の調整や点検、複雑な判断などを担います。

生産ライン工程ごとに作業を分けて車を順に組み立てる
品質管理部品や完成車を検査し、不具合を見つける
安全対策作業する人が安全に働けるように設備を整える

速く大量につくるだけでなく、安全性と品質を守ることが大切です。

5|関連工場

多くの関連工場が協力して自動車をつくる

① 関連工場とは?

自動車には何万点もの部品が使われています。タイヤやシート、ガラス、電子部品などをつくる関連工場が仕事を分担し、できた部品を組立工場へ届けます。組立工場だけで自動車をつくっているわけではありません。

理解チェック

中京工業地帯には、自動車の部品をつくる工場がたくさんあります。それぞれの部品が集まり、自動車が完成します。このような工場どうしのつながりが工業を支えています。

中京工業地帯で自動車工業がさかんな理由として正しいものはどれですか。

② ジャストインタイムとは?

組立工場では、必要な部品が届かなければ作業が止まってしまいます。一方、使う予定のない部品を大量に置くと、保管場所や管理費用が必要です。そこで、必要なものを、必要なときに、必要な量だけ届ける考え方をジャストインタイム(JIT)といいます。

例えば、午後の組立でタイヤが必要な場合

組立計画午後に使うタイヤの数を確認
関連工場必要な数を用意する
輸送使う時刻に間に合うよう届ける
組立工場届いた部品で組み立てる

ジャストインタイムは「在庫を必ずゼロにする」という意味ではありません。交通の遅れや災害などで部品が届かなくなることもあるため、備えや生産計画の調整も重要です。

③ なぜ中京工業地帯には関連工場が集まるの?

関連工場が組立工場の近くにあると、部品を運ぶ時間を短くしやすく、工場同士で連絡や調整もしやすくなります。道路などの交通網も、部品の輸送を支えています。

つまり、関連工場の協力とジャストインタイムは、中京工業地帯の自動車づくりを支える大切な仕組みです。

理解チェック

中京工業地帯では、関連する工場どうしが近くで生産を行っています。部品や製品をやりとりしやすいため、効率よく工業が発達します。工場が集まることにも意味があります。

関連する工場が集まることで期待できることはどれですか。

6|輸送と輸出

完成した自動車はどこへ運ばれる?

検査を終えた自動車は、販売店へ運ばれたり、港から自動車運搬船で海外へ輸出されたりします。道路や港の整備は、工業が発達するための重要な条件の一つです。

工場完成車を検査して出荷する
国内向け輸送して販売店などへ届ける
海外向け港から船などで輸出する

自動車を安全に運ぶため、車両の固定や積み下ろしにも専門の技術が使われます。

理解チェック

海沿いの工場では、つくった自動車や機械を港から船に積みます。船は多くの製品を海外へ運ぶことができます。工場と港が近いと、完成した製品をすぐに輸出できます。

製品を海外へ輸出する工場にとって、海沿いにあることにはどのような利点がありますか。

7|研究と未来

これからの自動車工業はどう変わる?

工業を支えているのは製造現場だけではありません。企業の研究開発部門や技術者は、車の安全性、環境への負担、使いやすさなどを改善する研究を続けています。

研究・工夫目指すこと
ハイブリッド車・電気自動車走行時のエネルギー利用や排出を改善する
衝突を防ぐ技術運転者や歩行者の安全を高める
工場の省エネルギー生産に必要な電力や燃料を減らす
材料の再利用使用済みの車や部品から資源を回収する

電気自動車でも、発電や電池の製造に環境負荷があります。車をつくるときから使い終わるまでを考えることが大切です。

理解チェック

自動車工業で研究開発が行われる主な理由は何ですか。

まとめ

工業は、多くの工場と人々の協力で成り立つ

学習したこと大切なポイント
中京工業地帯愛知県を中心に自動車工業が盛ん
製造工程プレス・溶接・塗装・組立・検査
工場の工夫ロボット・品質管理・安全対策
関連工場部品を分担してつくり、組立工場へ届ける
ジャストインタイム必要なものを、必要なときに、必要な量だけ届ける
輸送道路や港を使って国内外へ運ぶ
研究開発安全・環境・品質の改善を進める

自動車工業は、工場の技術だけでなく、関連工場・輸送・研究開発など多くの人々の協力によって支えられています。